イスラエル
イスラエルは、北にレバノンとシリア、東にヨルダン、南にエジプトと国境を接し、西は地中海に面している、四国ほどの小さな国です。
正式名称:イスラエル国
公用語:ヘブライ語、アラビア語
首都:エルサレム(国連決議ではテルアビブ)
宗教:ユダヤ教75%、イスラム教17.5%、キリスト教2%など
通貨:新シェケル
概要
旅行シーズン
一番旅行に適しているのは、3月〜5月、10月〜11月です。
北と南で気候が二分します。エルサレムやテルアビブのある北部は夏が長く、乾燥し雨がほとんど降らない日が6月−10月まで4ヶ月ほど続きます。日中は大変暑く朝晩との温度差があります。一方、冬は12月−3月にあたり、それでも平均最低気温は10℃、最高気温17℃と東京よりもやや暖かく、雨が降ります。南部は砂漠地帯のため、雨がほとんど降らず乾燥しています。イスラエルの内陸部にある死海周辺は一年を通じて温かく、冬でも浮遊体験ができます。
服装
イスラエルを観光で訪れる際、服装に関しては特に厳しいきまりはありません。
ただし、エルサレムはいろいろな宗教の聖地なので、あまり肌を露出した服装は慎んだほうがいいでしょう。ユダヤ教シナゴーグ,イスラム教モスク,キリスト教会等の宗教施設ではノースリーブやショートパンツ,膝上までのスカート等,肌の露出の多い服装では入場できない場合がありますので注意が必要です。死海周辺はリゾート地にもなっていて、ホテルでは軽装で過ごすことができます。エルサレムの旧市街は車が入れず、徒歩観光になるので、歩きやすい靴を履きましょう。夏は日足が強いため、サングラスや帽子は必須です。更に朝晩はぐっと気温が下がるのでジャケットやパーカーなど羽織りものをご持参ください。冬は雨の日が多くなるので雨具を忘れずに。
治安
イスラエルは多民族、多宗教国家のため、昔から宗教がらみの対立が絶えず、2000年代前半頃にはテロが多発しています。
現在(2020年2月)は、イスラエルの多くの地域で外務省安全情報の危険レベル1となっていますが、常に最新の治安情報をチェックして、旅行予定の地域の危険エリアを把握しておきましょう。また、外国人の集まる観光地も、スリ、置き引き、引ったくりの被害が多発します。パスポートのコピーを用意する、旅行保険に加入する、貴重品は一箇所にしまわない、人気のない場所や夜の一人歩きをしない、女性であれば派手な服装や露出の多い服装を避けるなど、基本と考えて対策するようにしましょう。
注意事項
入国時の留意事項
入国に際して,旅券にイスラエルを対立国としているアラブ諸国の査証,入国スタンプがあると,セキュリティー・チェックが更に厳しくなる場合があります。2013年1月以降,空港からの入国の場合は,原則として旅券に出入国スタンプは押されなくなりました。その代わり,入国カードが発行されますので,滞在中はこのカードを必ず携行してください。
他方,イスラエル当局の個別裁量によりスタンプを押す権限は排除されておらず,仮に旅券にイスラエルの査証,出入国スタンプが押されている場合,イスラエルと国交がないアラブ,イスラム諸国では入国を拒否されます。イスラエルから陸路でエジプト又はヨルダンを経由しイスラエルと国交のない第3国へ入出国する場合,イスラエルの出入国スタンプがなくてもイスラエル – エジプト又はイスラエル – ヨルダンの出入国スタンプが残れば,入国を拒否される可能性がありますので注意が必要です。従って,他のアラブ諸国を旅行する場合は,イスラエルを最終訪問国にする等,旅行計画等に配慮することが必要です。
出国時の留意事項
空路出国する際は,チェックインに先立ち,テロ防止のためのセキュリティー・チェックを受けます。その際,係官から口頭(ヘブライ語の他,英語),日本語文書またはパソコンのディスプレイによる質問(滞在期間,滞在地,第三者からの贈り物,武器・危険物携行の有無等)があり,場合によっては携行荷物の検査や身体検査を受けることもあります。セキュリティー・チェックはかなり厳しく,時間もかかるため(通常待ち時間を含めて30分~1時間程度),時間に余裕を持って空港に到着(出発の3時間前を目安に。出発の45~60分前には,チェックイン・カウンターが閉まります)するよう心がけてください。航空機内への預け荷物(旅行カバン等)の中に石鹸やナツメヤシの果実(デーツ)等があると,セキュリティー機器が危険物・要注意物品として反応することがあり,再検査を受ける場合もあります。
通関検査
イスラエルでは,付加価値税(17%)の関係で通関検査が厳しく実施されます。入国の際の通関は,通関申告を必要としない緑色のブースと申告が必要な赤色のブースに分かれています。新品のビデオカメラ,パソコン等の課税対象物品の価値が200ドル以上の場合は申告が必要です。通関申告で必要と認められれば,税関に課税相当額の保証金を納入し,出国の際に品物を確認のうえ返還を受けることになります
宗教
イスラエルではユダヤ教の戒律が市民生活に大きく影響しており,祝祭日,安息日(毎週金曜の日没から土曜の日没まで)には,一部例外を除き,路線バス,鉄道等の公共交通機関(タクシーを除く)は運行せず,大半の商店も休業します。ユダヤ教の戒律を厳しく守っているユダヤ人居住区(エルサレム市メア・シェアリム地区等)では祝祭日,安息日に自動車を乗り入れたり,写真を撮影したり,賑やかに騒いだりするとトラブルの原因となり,場合によっては投石等を受けることもあります。
また,イスラム教徒にとって,毎週金曜日は合同礼拝が行われる休日となり,祝祭日についてもユダヤ教とは異なるため,イスラム教徒居住区へ入る場合は注意が必要です。
禁止事項
国境・停戦ライン,軍事施設,原子力研究所付近及びゴラン高原の地雷原には,立入禁止区域が設定されています。
軍事施設の写真撮影は,禁止されています。また,宗教関係施設及び聖地等は,場所・時間等により写真撮影が禁止される場合があります。
麻薬の持ち込み及び所持は法律により厳しく禁止されています。発見された場合には,最高20年の禁固刑または国外退去処分を受けることもあります。
一般市民の拳銃所持
兵役が国民の義務となっている関係で国民が銃器の取扱いに慣れており,また許可制で個人の銃器(けん銃)の所持が認められています。市中でも,軍人はもとより,ガードマンや個人が自衛のためにけん銃,自動小銃を携帯しているのを見かけます。
テロ行為
テロ行為に関しては,国民全体が非常に敏感です。人が集まる場所でカバン等に仕掛けられた爆弾が爆発し多くの死傷者を出したケースが多発した時期が過去にあり,スーパーマーケット,映画館等の公共の建物に入る際は,カバンの中身等の携行品をチェックされることが多くあります。所持者不明の品物は危険物(爆弾)と見なされて処分されますので,自分の持ち物を放置または置き忘れたりせず,また,所持者不明の品物には近づかないよう注意することが必要です。